mja

2011-09-25 00:43

そういうことじゃなくて、この、季節の変わり目の空気が好きだなーっていうことを誰かと共有したくて初秋。
この季節の変わり目の帰りの電車、くっきりしてこぢんまり、黒髪を結った女の子のジッとした視線を受けてドギマギしながらその子が席ひとつとばしに座るのを見て、うん、秋!って思ってニコヤカに本を読みながらいると、ピシャーッという音とともに吐瀉するオバハンがあり、この車両はもう駄目だとくっきり少女の行方を見れば、サバサバした感じの女性に大胆に寄りかかり眠っているので、この妖精を微笑ましく観察することができるならば、この試練を乗り越えることも可能かもしれないと、駅停車の度に車両後方からの空気の逆流に乗りやってくる刺激臭を回避することを繰り返すうちに、1分程度呼吸を止めることは案外できるものだなというどうでもいい自信を得るに至った。心肺機能が向上した。
くっきり少女は、自分が降りる駅を過ぎても、サバサバした女性に甘えるようによりかかり昏々としていた。いい風景を見たなあと電車を降りて深呼吸すると、秋の夜の少し冷たく湿ったいい空気が全身にしみわたり、やっぱり季節の変わり目はいいなあ、と思ったりした。