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あーあ、俺様、謙虚に貴様らを越えていくわー、なんつーかそういう感じ

あらすじ

華やかな舞台で活躍するひとびとを見て、自分の無力さを無自覚のうちに嘆く男がいた。男はふとした瞬間にその無力さからくる満ち足りなさに気づく。自分が満足できていないことが悔やしかったので、勉強するなりして成り上がりを目指そうと思ったのだが、男は卑屈だった。そして傲慢だった。
…今の時代の若者におくる、ひねくれたサクセスストーリー。

語り出し

男は深夜アニメを見ながら納豆ごはんを食っていた。アニメは学園モノだった。登場人物の能力の凹凸がもとで起こるトラブルとその解決に、ぼんやりとした憧れを持ちながら自分のことを考えていた。
まあ俺もやればできるんだけど、今はやる気もないから充電も兼ねて廃人みたいな生活やってる。何か身につけようと思えば、俺のやる気が火を吹くし、適応力もけっこうある。そういうの、実績もある。大学入試の世界史とか異常なくらい知識持ってて余裕だったし。英語は微妙だったけどな。英語はともかくとして高校のテストのときもたいした勉強しないで、電車のなかで教科書を見たくらいで高得点だったしな。世界史はとくにやばかったな。センター試験でも9割越えてたし、学校ではダントツだった。
その納豆食いは大学4年生だった。関東の微妙な位置にあり、学力的にも微妙なポジションの私立大学の経済学部に所属している。必修の基礎数学の単位をまだとれていない。
あきた。