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盲目物語読み終わった

読めと言われなければ読まないだろうという類の本だった。現代の文章に慣れきった人間にはちょっとつらいので。
信長の妹、お市の生涯を、ずっと側につかえていた盲目の按摩さんが語るみたいなはなし。歴史とか全然興味なくてかつ授業とか全く聞いてなかったから全然知らなかったんだけど、お市の方はこういった歴史ドラマでは人気のひとだというのを知った。太閤記とかそうらしい。
お市浅井長政のとことに嫁いでくる(という表現が正しいかはわからん)ところからはじまって、長政の小谷が堕ちて、その後信長のもとで暮らし、そのあと柴田勝家のもとへ嫁ぎ、最後を迎えるところまで、を盲目のマッサージ師たまに音楽を嗜む坊主、みたいなポジションの弥市がものすごい勢いで主観的に語るというはなしなんだけど、その主観具合が義理とかに左右される部分がおおくて、あとお市びいきなのでけっこうすごい。浅井家が滅びたのも、久政(長政の父)がヘタレだったから、とか言っちゃうくらい。
あと弥市が実は男だったというのに気付いたときはちょっと、こいつ…!とか思った。それまで声の出演、市原悦子みたいな感じだったのに。
マッサージ師だからお市の肩なり尻なりをマッサージするわけだけれど、終盤、お市の娘茶々(後の秀吉の嫁)をおぶったとき、その尻に触れて、このエロさ具合は若いころのお市のようだとか思っちゃったよ、とか語っているのがたまりませんね。ちょっとうける。
おもしろいと言えばおもしろいけど、ほかにもっと読みやすくておもしろい本がいっぱいあるから敢えてこれ読むのを勧めるってことはないかなーという感じ。ブンガクなひとは読むといいと思う。薄い本だし、読みにくいわけでもないし。